【11/21(木)】C.T.T.京都 vol.123

「C.T.T.」とは、Contemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味する試演会の場です。今回は2組（村川拓也、劇団ゆうそーど。）がおよそ30分の作品を連続で上演します（＊上演順未定）。

●村川拓也
演劇版『テニス』の試演

原作映画：朝日克俊『テニス』（仮編集版）
演出：村川拓也
出演：奥村海斗、武田佳穂、吉野真生、瑠星

・村川拓也
演出家・映像作家。ドキュメンタリーやフィールドワークの手法を用いた作品を、映像・演劇・美術など様々な分野で発表している。京都芸術大学映画学科非常勤講師。

・朝日克俊
京都芸術大学映画学科四年生。二年生時に短編映画『深泥池』を北小路隆志、村川拓也によるゼミで制作。三年生時に中編映画『テニス』を撮影、仮編集版を制作。完成を目指し、現在も編集作業を続けている。卒業制作として、祖母たちの暮らしの映像とインタビューなどの音から家族関係を想像させるドキュメンタリー映画「帰省」を現在制作中。

・あらすじ（解説）
『テニス』というドキュメンタリー映画があります。
京都芸術大学の映画学科に在籍する朝日克俊くんという学生が撮った作品です。
今回、この映画を演劇化してみます。
『テニス』という映画では、ある映像に対し、別の異なる音声が流れます。映像は、とあるテニスコートに集められた若者たちが、そこでテニスをやったりやらなかったりする姿を映します。音声は、その中に登場する若者たちそれぞれのインタビューの声を聞かせてくれます。つまり、テニスコートにいる彼らの映像を観ながら、そのうちの一人のインタビューを順番に聞く映画だということです。
この映画は全体で72分あり、全部で三人のインタビューが順番に流れます。今回はその中の一人のインタビューが流れる冒頭の30分のシーンをそのまま演劇化してみます。

・推薦文（杉山準）
ドキュメンタリーの手法を用いる演出家と評されることもあるが、彼の舞台演出に私が驚かされるのは、物語（フィクション）の演出であっても、真実に基づく作品であっても、観客の心や感覚を見事に揺さぶってくるその感性と創造性である。演技にあまり特別な手法は求めないが、普通の人（俳優であっても）が発する日常的なことばや、仕草、それらを舞台作品に昇華させるまさにその腕前である。

●劇団ゆうそーど。
『乾物』

作・演出：片山寛都
出演：あむ、石本美鶴子、片山寛都

・劇団ゆうそーど。
劇団ケッペキ出身の片山寛都が立ち上げた劇団という名の個人ユニット。説得力のあるエンターテイメント作品を作りたいと思っている。最近は「（不安）と（安心）」と「（時間の感覚）と（時刻）」の関係が気になっている。作品に食べ物が登場することが多い。死者が登場することも多い。

・あらすじ（解説）
脚本が書かれ、長い期間稽古をし、観客の前で見せるというプロセス（時間の流れ）における、作品の変容過程を不思議だなと感じます。とくに、脚本家がその脚本を書いている時間と、その際の想いに興味があります。脚本家の手を離れ、場合によってはとても長い時を経て、役者に吸収され、観客に伝えられる。脚本は乾物だと思いました。出汁を取られるシイタケや、口で噛まれるビーフジャーキーのように、本来より長く保存され、吸収されるという意味において。今回は、上演されるための脚本（もしくは脚本家）と、食べるための乾物（もしくは素材の命）を重ねながら、楽しい演劇の上演を試みます。

・推薦文（岡田眞太郎）
今年9月に野外特設舞台で開催された「京都学生演劇祭2024」の出場団体から1団体を推薦した。劇団ゆうそーど。によって上演された作品『時間なんて無いとしたら』。その序盤は今年の学生演劇祭で最も興奮を覚えた5分間だった。野外空間を巻き込み／に巻き込まれながら、目撃した観客にとっては異質な、しかし同時に舞台上では至極全うな時間感覚を作り出す野心と手腕に、閉鎖空間でのよりプリミティブな現れを期待した。

●日時
11月21日（木）19:00
11月22日（金）19:00
＊受付開始・開場は開演の30分前

●会場
左京東部いきいき市民活動センター　集会室
（京都府京都市左京区鹿ケ谷高岸町３−２）

●入場料
予約1200円
当日券1500円
＊すべて当日窓口精算

●主催
C.T.T.京都 事務局
京都市左京東部いきいき市民活動センター

●問い合わせ
メール：info@ctt.main.jp
電話：075-761-1385（左京東部いきいき市民活動センター）