鈴木諭 ツーマンライブシリーズ『裏日本』其の二 ×ふきた(青森)
東京都- イベント詳細
- チケット情報
ライブで初めて聴いた音楽が忘れられない、という体験がごくごく偶にある。
そのひとつが『橅(ブナ)の山々』と言う曲を聴いた瞬間だ。
3月15日、無善寺でじゅんじゅん企画があり観に行った。
そこに出ていた「阿保の匙」と言うユニットが、一発目に歌った曲である。
ぶち抜かれた。心を。
なんだ、この曲は。分かる、分かり過ぎる。
正直、この日で一番頭にこびりついたのがこの曲だった。
終演後、話かけてこの曲について聞いた。
「ふきたさんと言う、青森のミュージシャンの曲なんです。カバーさせて貰ってて。」
私は思った。
なるほど、青森の人なのか。だからだ。だからすぐに分かったんだ。
以来、ずーっとご本人の歌を聴きたいと思っていた。
ネットでググると曲も出て来るが、私の主義として初めては"生"で聴かなければならない。
あえて堪えて聴かない。
機会は偶然に訪れた。
2024年6月25日、無力無善寺。
エントリー済だったサイケデリックの日に、ツアー中だったコスモスチバさんと一緒にふきたさんが入って来た。
因みに、ふじえもんさんと初めて会ったのもこの日。
こちらが一方的に認識してるだけだったので、勝手に感無量。
超気合を入れてライブに臨む。東北祭りの無善寺。
そしてついに聴いた。ご本人の『橅の山々』を。
凄かった。凄かった。
頭の中に絵がどんどん浮かんで来る。
東北の鈍色の空に張り付く、山の姿が。
時に黒々として、時に水色に溶けて、時に真っ赤になり、時に黄色になる山々が。
もうこの日は自分のライブよりも、ふきたさんを聴けただけでもう満足で。満足で。
以来、私にとって憧れの東北の先輩の一人となった。
・・・・・・・・・・・・話が飛ぶ。
今年の一月。
無善寺で会った盟友・片山さゆ里氏とツーマンライブを行った。
富山県出身と秋田県出身と言う事で、同じ日本海エリア出身。
私は"裏日本"と言う題を思い付き、提案する。
因みに「裏日本」とは、日本海側全般を差す侮蔑的な呼称だ。
圧巻の片山氏のライブ。私にとって生涯忘れ得ない体験のひとつである。
この日をライブを観に来てくれた猫道さんが、色んな感想をくれた。
以下、引用させて頂く。
-----------------------------
鈴木さんとさゆゆを観たイベントも自主企画らしさがあったが、それ以上に深い意味合いがあり、社会学者のキュレーションみたいだった。テーマは【裏日本】。鈴木諭と片山さゆ里の抱える故郷(日本海側)と東京への複雑な愛憎が歌に染みて、フロアは静まり返った。問答無用でテンションが上がった。
弾き語りは演劇よりポエトリーやラップに似ていて、演者も聴き手もズブズブと内面に入っていく。とても変態的な行為だ。それを好んで演るからにはアーティストには何かがある。鈴木・片山両氏に特に感じたのはやはり愛憎だ。故郷のことが好きなんだか嫌い何だか分からない。もちろん、両方だろう。
彼らの共通点は多い。おそらく地元で「高学歴の良い子」として扱われたであろうという点。そして、鈴木さんはブラック労働での官公庁退職、さゆゆは国立大の中退という挫折を経験している点。また、鈴木さんはハコや聴衆から作風に対する忌避感を投げかけられながらサバイブしている。さゆゆは依存症と向き合う日々をサバイブしている。東京も良いことばかりではないわけだ。
※上記に加え、昨夜は能登の震災についての北陸と東京の意識の差異という切実な問いかけがあり印象に残った。(片山さゆ里【砂漠】で震災を直に経験した彼女のスポークンワードが入った)
生きていくことは砂漠を歩くみたいだ。でも、生きちゃう。忘れられないような良い夜がたまにある。その「でも、生きちゃう」が2人の歌には宿っていて、暗い歌でぶち上がった。
------------------------------
ここまで言って頂けるのは本当に嬉しい事で。
この際「シリーズ化して欲しい」みたいな事も言われた。
片山氏からも同じ事を言われた。
以来、日々に追われながらも頭の片隅に「次の裏日本を開催すること」が在り続けて。
・・・夏に独演会と言う大仕事を終え、ひと段落着いた際に思った。
二回目の裏日本をやろうと。やらなければならない、と。
恐れ多いが、ふきたさんに頼もうと。
そこから恐れ知らずの私はふきたさんにツーマンを依頼。
快く快諾頂きまして、ついに二回目の裏日本を行う事となったのです。
諸般の事情でかなり先の日程。年明け2月1日(土)工房ムジカ。
新年一発目の大勝負。
この日までは死ねません。
ふきたさんを観た事が無い方は、是非この機会に観て頂きたいのです。
私の曲が刺さる方ならば、間違い無くぶっ刺さります。抉られます。
独演会とはまた違います。
裏日本の人間が二人揃うからこそ感じられるモノがあるんです。
これは上手く言語化出来ません。
然し、感じる事は出来ます。
裏日本を感じてください。
日暮里が、裏日本になる日です。2月1日は。
あの静まり返る空間をもう一度。
雪の見える空間をもう一度。
- 開催日
- 2025年02月01日(土)
- 主催または登録者
- 鈴木諭
- イベントのお問い合わせ
以下のお問い合わせフォームより主催者へお問い合わせください。
お問い合わせフォーム
- 開場 19:30 / 開演 20:00
●予約
料金2,500 円(当日1ドリンク500円別途必要)