15:00　疑似餌10回　売春捜査官　〜熱海殺人事件〜

熊田　「あんたに出会い、この世に幸せというものがあるのだと思った。オレはあんたを信じ、あの冷たいみぞれ降る駅でずっと待っていた」

李大全　「愛しても、愛しても、決して報われることの無かった、大和魂。そう李が血の涙を流しよったと村長に言うちょけ」

万平　「ホモが義理堅く純情通さなきゃ誰が通すんだ」

アイ子　「⋯ない、⋯ない。あんた、のうなったら、絶対弁償してもらうけんね」

大木　「だったらアイちゃん、死なないかんばい」

猿渡　「ざまあみろ」

木村　「売春は、私の趣味ですから」

山口アイ子の死体が発見された
迷いない殺意で残された赤い紐跡がチアノーゼで蒼白く固まった表情を生々しく際立たせている

手には千円札が固く握り締められていた

時を同じく、みゆきヶ浦で一人の男が飛び降り、十五人の女たちが服毒自殺を図り八王子病院に運ばれた

熱海の海岸でおきた殺人事件をきっかけに、六人の男女の感情が哀しく浮かび上がる

所
東京警視庁
木村伝兵衛部長刑事捜査室

チャイコフスキー『白鳥の湖』
木村の怒鳴りまくる声が聞こえる