平井み帆CD発売記念コンサート「チェンバロの旅～イタリア・バロック音楽150年の軌跡」

L.ルッツァスキ：第4旋法のトッカータ
A.マイヨーネ：「どうぞ私を殺してください」によるディミニューション
G.フレスコバルディ：トッカータ第2番
M.ロッシ：ロマネスカによるパルティータ
A.ポリエッティ：ハンガリーの反乱によるトッカティーナ
G.グレコ：チェンバロのためのトッカータ
D.ズィーポリ：組曲第2番ト短調　　
P.D.パラディエス:ソナタ第9番イ短調　
D.スカルラッティ:ソナタへ短調K.69,K.184

CD「チェンバロの旅～イタリア・バロック音楽150年の軌跡」発売記念コンサートに寄せて

　初のソロCD「アフェッティ・カンタービリ」から20年、この間もイタリアのバロック音楽は尽きない興味の対象で、常に私の演奏活動の中心にありました。2003年から続けているリコーダーの太田光子さんとの「イタリアバロック音楽の変遷」シリーズをはじめ、多くの演奏家とイタリアをテーマにしたコンサートを重ねる中で、チェンバロソロ曲についてもイタリアバロックの鍵盤作品を広く網羅するようなレパートリーを積み上げることができました。その中から特に思い入れの深い作品を選りすぐり収録したのが、このCD「チェンバロの旅～イタリア・バロック音楽150年の軌跡」です。
　ルネサンスからバロックへの過渡期に始まり、古典派の萌芽を感じる時代まで、約150年に渡るイタリアバロックのチェンバロ作品を通して、時代と共に音楽が変化してゆく様を目の当たりにしていただくこと、それぞれの作曲家の魅力と個性は勿論のこと、ローマ、ナポリ、ヴェネツィアを始めとする地域ごとの音楽の特色を感じていただくこと、そして、バロック時代の様々な鍵盤音楽の様式を幅広くお聴きいただくことを意識した選曲です。
　バロック時代のイタリアの土地々々を、そして、様々な感情を旅するように、このCDをお楽しみいただけたら幸いです。そしてCD発売記念となる今回のコンサートでは、チェンバロによるイタリアバロック150年を巡る旅に是非ご同行いただきたく思っております。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2024年6月　平井み帆